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KDDI株式会社 島谷一成さん

昭和58年電気科卒業。KDDI株式会社技術統括本部運用本部ITアウトソースセンター副センター長。主に法人の顧客向けに社内ネットワークの提案や構築および運用サポートを行っている。

 
     
 

浪速工業高校での学びを起点にして、現在情報通信業界の第一線で活躍されている島谷一成さんにお話を伺いました。(インタビュー:庄山由多加  2012年8月)

 
 
※肩書きなどの記載内容は、取材時のものです。
 
     
 

――電気科に進学した理由を教えてください

 
     
 

 高校進学は、当初より工業科を希望していました。基礎技術から応用まで幅広く学ぶことで、ぼんやりとした自分自身の将来像を明確にしたいと考えていたのです。兄の様に慕っていた電気科卒業の先輩から紹介されたのが浪工を知るきっかけでした。
 当時はプログラミングの学習環境を備えた電子科にも興味があり悩んでいましたが、学校見学会で普段経験のできない高電圧を放電するデモンストレーションを見て「電気って目に見えるものなんだ」と深い興味を持ち、電気科で学ぶことを決めた一因になったのを覚えています。

 
     
 

――浪工での学びはどうでしたか

 
     
 

 男子だけで学ぶという新たな環境に不安を感じていた私たちでしたが、入学後に行われたオリエンテーション合宿によって打ち解けあい、向き合うことによって、これらの不安を解消することが出来ました。また、随所にクラスを盛り上げるポイントを学校が用意してくれたので、最後にはひとつの「輪」になれたと思います。
 学校生活が本格化し、専門課程の電気の授業は、見るものや触るものの全てが初めての経験ばかりで、とても刺激的で面白かったです。
 今、振り返ってみても電気科を選んで良かったと感じています。電気のスペシャリストとなるための基礎をしっかりと身につけるカリキュラムと、電気エネルギーの発生から利用技術にわたって学習ができる指導体制や環境が整っていたことです。
 特に基礎の理解には十分時間をかけ、着実に身につくよう、一人ひとりに親身になって指導してくださりました。学生の実務経験に値する実験では、最後にレポート提出と同時に、口頭での試問がありましたが相当苦労をしました。特に岸田先生や市場先生、佐古先生には基礎が判るまで大変お世話になったことを思い出します。
 また、浪工は国家試験の取得にも力を注いでいることが大きな魅力で、資格取得と知識も得られた電気科での学びは大変有意義でした。私は卒業後に電気工事士資格を取得したのですが、実技試験対策のために実習室を開放してくださり、工具や線材と向き合ったことを覚えています。

 
     
 

――就職後に電気科での学びは役立ちましたか

 
     
 

 現在のKDDIに入社し、以来東京で勤務をしています。通信に関する業務に携わることになりましたが、浪工の電気科で学んだ精神は、電気通信の世界でも活かされています。
 通信には多くのインフラ(社会基盤)が必要であり、それらは全て電気で動いています。また、様々な公共性の高いインフラを守るためにも通信は応用されています。例えば最近の異常気象などの災害では防災関係機関による迅速な情報収集が欠かせません。被災の想定や被害を未然に防止・軽減する方策を立て、早期に復旧を目指すには情報が必要不可欠です。全ての方へ安全・安心を届けるためにも、通信施設や設備への電力供給が途絶えることは許されません。
 日々の私たちの生活やインフラを守るために電気はとても重要な位置付けであることは言うまでもなく、その基礎技術の学びは今でも有益なものとなっています。

 
     
 

――東日本大震災を通じて感じたことを教えてください

 
     
 

 昨年の東日本大地震において、東北地方を中心に倒壊や水没などによって、各地のライフラインに甚大な被害が発生しました。その影響で停電も長期化し、計画停電が行われるなど生活においていかに電気が重要なのかを体感しました。
 当時は被災地の通信手段を確保するために何をするか、我々の役割は何かを考えました。気が付いたときには会社全体で支援活動に着手していたことを思い出します。
 1995年に発生した阪神・淡路大震災の時とは異なり、今は誰でも携帯電話を所有している時代で、携帯電話が一台あれば安否の確認や被災の情報も手に入れることができます。そこで被災地に向けて車載型無線基地局や移動電源車を配置するとともに、携帯電話等の無償貸し出しを行い、被災者や復旧活動を行う方々への支援をしました。
 通信というものは、普段当たり前のように使い、使えるものとして浸透していますが、今回の震災では人と人を繋ぐことがいかに大事であるか学びました。また電話一本が、その声が人々に大きな安心を与えること、そしてその当たり前を当たり前として存在させ続ける大切さを改めて学びました。

 
     
 

――在校生にひとことお願いします

 
     
 

 現在女子の活躍が目覚しいと聞いています。私も同じ年代の娘二人を持つ親です。今後も男子だけでは出せなかった良いエネルギーを、男女ともに学校に生み出していただければと思います。
 また東日本大震災での教訓で、情報通信事業者はライフラインを預かっていることが再認識されました。これから次代を担う星翔高校の皆さんにも、安心感を届ける仕事に興味関心を持っていただき、将来その中心として携わってもらえればうれしいです。

 
     
 

――卒業生にひとことお願いします

 
     
 

 私は今でも高校の友人や恩師をはじめ多くの出会いを大切にしています。友人は宝です。これからも母校や在校生に興味を持ち続けていただき、卒業生間や在校生との交流を更に深めてもらえればと思います。私は東京在住ですが、今後も何らかの形で同窓会活動のお手伝いをさせていただければと思います。

 
 
 

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